こんにちは。院長の小山です。
桜も咲き、草木も地面から顔を出すこの季節、すっかり春めいてまいりましたね。
さて、植物が芽吹くように、「気付くと顔を出している」ものが、皆さまのお口の中にも存在します。
その存在とは「親知らず」です。
今回は、あまりよく知られていない親知らずの正体や、「もし生えてきたら抜かなくてはいけないのか」という疑問についてお答えしたいと思います。
◆そもそも、「親知らず」とは
親知らずとは、10代後半から20代後半に生えてくる永久歯です。
前歯から数えて8番目に位置する、歯列のなかで一番奥に生えてくる歯で、正式名称は「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」といいます。
他にも、「智歯」「知恵歯」など、さまざまな呼び方がありますが、おそらく皆さんが最も聞き馴染みがある名前は、「親知らず」ではないでしょうか。
この「親知らず」という名前の由来は諸説ありますが、一説によると、昔は現代よりも寿命が短かったため、この歯が生えるころには親が亡くなっていることが多く、そこから「親知らず」と呼ばれるようになったそうです。
そんな親知らずが生えてくるときは、上あご・下あごの左右に2本ずつで、合計で4本生えることがあります。
しかし、4本とも必ず生えてくるとは限りません。
「もともと親知らずがない」という方もいれば、「歯ぐきの中に埋まったまま生えてこない」という方もいて、歯ぐきから顔を出す本数には個人差があります。
◆親知らずが生えてきたら抜くべき?
親知らずが生えてくる際、スペースが足りず、まっすぐ生えてこないこともしばしばあります。
「斜めに傾いた親知らず」や、「一部だけ顔を出している親知らず」は汚れが溜まりやすいため、むし歯や歯周病のリスクが高くなるほか、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」という炎症を起こしやすくなります。
また、斜めに生えてきた親知らずは、歯並びを悪くする可能性もあります。
このように、周囲の歯や、歯ぐきなどの歯周組織に悪影響を及ぼしている場合は、親知らずの抜歯をおすすめいたします。
◆無理に抜く必要はありません
しかし、正常に生えており、皆さまの健康に悪影響を及ぼさない場合は無理に抜歯をする必要はありません。
ただし、親知らずは歯ブラシが届きにくいため、むし歯や歯周病にならないよう、しっかりケアをする必要があります。
生え方によっては、『タフトブラシ』や『デンタルフロス』などの補助的清掃用具を使っていただくのがおすすめです。
正しい歯みがきの方法や、補助的清掃用具の使い方などは、私たちが皆さんに指導することもできますので、ぜひご相談ください。
また、親知らずが骨の中に埋まったままで、痛みや腫れなどの症状が出ていない場合も、すぐに抜く必要はありません。
親知らずの生え方には個人差があり、むし歯や歯周病のリスクも人それぞれです。
「抜歯が必要かどうか」は、皆さまの健康を第一に考え、私たち歯科医院が最善の判断をしています。
ご心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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