2022年8月3日水曜日

「先生、痛いのはそこじゃないんです」は勘違い?

 

こんにちは。院長の小山です。
日本の夏といえば、やはりお祭りや花火といった風物詩ですね。

その花火が、実はヨーロッパ生まれということはご存じでしょうか?

中国で発明された火薬がヨーロッパに渡り、来日していた英国人によって
徳川家康に披露された、というのが、日本における花火の発祥のようです。
日本の風物詩というイメージが強い花火ですが、その生まれが海外というのは
少し意外かもしれませんね。

ところで、「歯の治療に関する意外」 といえば、
「痛い!と思っていた歯が実は別の歯だった」ということが珍しくありません。

 「自分の身体のことは、自分が一番よくわかる」

と言う方もいらっしゃいますが、実は人間の身体は勘違いを起こしやすいのです。

では、なぜそうした「勘違い」を起こしてしまうのでしょうか?


◆「歯の痛み」の通り道『三叉神経』

 

「歯の痛み」を脳に伝える役割は、顔の左右にある
『三叉神経(さんさしんけい)』という「脳神経」が担っています。

 

 

脳から伸びた三叉神経は、おでこから頬、あごのあたりまで、
大きく分けて3つのエリアに分かれて繋がっており、

顔に「どんなものが触れた」か、それが「冷たい」か「温かい」か、
といった、「顔の感覚」を脳に伝える働きをしています。

そして、この三叉神経はお口の中にも繋がっているため、
歯の痛みもこの神経を通じて脳に届きます。

 

◆間違えやすいワケ

 

とある実験では、歯に触れて
「いま、どの歯に触れたか」という質問をしてみたところ、
奥歯に近づくにつれて正解率が下がった、という結果があります。

これは、お口などに繋がっている三叉神経が、
脳に近づくにつれて一本の神経になるためです。

「痛み」をはじめ、「歯に生じた感覚」は信号となり、
三叉神経を通して脳まで伝わります。

しかし、その『信号』が『脳に続く一本道』に到達した際、

「お口の辺り」から来たのはわかるけど、
細かい場所までは覚えていない状態
になってしまうことがあります。

これが、『痛みの勘違いの正体』です。

 


「歯の痛みの勘違い」で特に多いのが、
痛いと思っていた隣の歯が原因だった」というケースです。

また、隣り合った歯だけではなく、

「上の歯が痛いと思ったら下の歯が原因だった」という場合や、さらには
「歯だと思ったら、鼻の炎症が原因だった」「目の周りの神経が原因だった」など、
一見するとお口から遠い場所でも、痛みの勘違いが発生することもあります。

このように「痛みの原因の特定」

皆さんご自身では非常に困難なこともありますので、
何か痛みを感じたら早めに受診してください。

 

 

また、痛みの勘違いにより

「痛くないところを削られた!」
と思い込んでしまう方がまれにいらっしゃいますが
そのようなことは、まずあり得ません。

ご不安な場合は、遠慮せずにご質問いただければ

必ずお答えさせていただきますので、いつでもお声がけください。

そして、日頃から検診などを受けて、削らなくても済むように
歯を大切にしてくださいね!

 


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