こんにちは。院長の小山です。
4月18日は『よい歯の日』、日本歯科医師会が「いつまでも食事を楽しんでもらいたい」という願いを込めて制定した記念日です。
『よい歯』を守るためには毎日の歯みがきが不可欠ですが、どんなに歯をみがいても汚れの落ちにくい場所があります。
それが、「歯」と「歯ぐき」の間にある、『歯周ポケット』と呼ばれる「みぞ」です。
「歯周ポケットという名前は聞いたことがある」
という方も多いと思いますが、実は、歯周ポケットの存在は「歯を失ってしまう前兆」でもあるのです。
◆『歯周ポケット』って一体なに?
歯と歯ぐきの間は、一見すると隙間なくピッタリくっついているように見えます。
ところが、この境目には隙間があり、この「溝(みぞ)」を『歯肉溝(しにくこう)』といいます。
通常、溝の深さは1mm程度しかありませんが、ここにプラーク(歯垢)が溜まると、歯周病菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、溝が深くなります。
この「深くなった溝」こそが『歯周ポケット』の正体です。
そしてなんと、『歯周病』が悪化するとポケットの深さは1cmを超えることも。
ちょっと想像しただけでも怖いですね。
◆ポケットが深くなるだけじゃない!
歯周病菌はただ歯周ポケットを深くするだけではありません。
同時に『歯石』を作りだし、そこを隠れ家にしてどんどん繁殖していきます。
歯の表面はもちろん、歯周ポケットの中にも「歯石」を作りだすのです。
その奥には歯ブラシも届かないため、「細菌のすみか」となり、恐ろしい数の細菌が繁殖します。
そしてなんと、歯周病菌が出す毒素により歯を支える骨が溶けはじめ、やがて歯が抜けてしまうのです。
◆歯周ポケットを深くしないために
歯周ポケットが深くなるほど、歯周病菌によって歯を支える骨が溶かされるリスクが高くなります。
しかし、歯ぐきの中に生息している歯周病菌は普通に歯みがきをしても、なかなか取り除くことができません。
そこで必要になるのが、歯科医院でのチェックと歯周病治療です。
歯科治療では歯の表面だけではなく、専用の器具を使用してポケットが深い部分の歯石までしっかり取り除きます。
◆気づかないうちに「悪化」する…
実は、歯周病で最も恐ろしいのは、目立った自覚症状がないまま歯周ポケットがどんどん深くなることです。
気づいたときにはポケットの深さが1cm以上!ということも珍しくありません。
そこまで深くなる頃には、すでに歯を支える骨も溶け始めています。
「歯ぐきが腫れてるかな?」
「ちょっと出血してるな…」
そんなときは、まず一度、歯周病検査を受けてください。
ポケットが深くなる前にしっかり治療をして、1本でも多くの歯を守りましょう。
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